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人生が輝き出す名言集 第2章



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ハイライト

七月の夜の空は、南の方角に目立って光る一つの星がある。アンタレスとゆう一等星でさそり座の心臓だ。
東の空には、こと座の一等星ベガ、わし座の一等星アルタイル、はくちょう座の一等星デネブをつなげて
夏の大三角ができる。
北には北斗七星が現れて、運が良ければ北極星が見えるのだ。
夜空は壮大なプラネタリウム。
本でしか星座を知らない者にはこの自然界のそれも宇宙にできた不変な形の現れに
恐れを抱くかもしれない。
瞬きもせず一心に星を見続けていると、暗闇に引き込まれそうになる。
宇宙に放り出されてしまっては、もう戻ることもできない。
永遠にただ一人、さまよい続けることになる。
ただ一人、暗く果てしないところに残されるのは何も宇宙に限ったことじゃないのかもしれない。
今いる自分の場所でさえ、さまよい続けることもあるのかもしれない。

『洋二』という名は父が付けてくれた。

ハイライト

特別何があったわけじゃない。
これから、何かが起こるわけでもない。
僕には予知能力もなく、ワクワクする予感もしない。
でも、この数日間だけしか会話を交わしてない目の前にいるおじさんが、
僕に何かをしてくれる気がして、この夏休みは受験のための勉強づけ
でないのかもしれない。って、ほんの少しだけ期待していた自分にがっかりした。
そうだよな。
僕に「勉強しなくていいんだよ」って、誰も言ってはくれないことぐらい解ってた。

「はい」
おじさんは、虹色のチケットを僕に差し出した。
チケットを受け取る前に、嫌味な虹色だと思った。
僕はおじさんの遊びに付き合っているほど暇じゃないんだ。
突き返そうと思って腕を伸ばしてみて、ふと、チケットのタイトルが気になって
腕を戻した。
「カイトウ、ショー?」

虹色の上にカタカナでそう書いてある。
カイトウ、カイトウ・・・カ・イ・ト・ウ?

解凍、回答、開頭・・

カタカナは頭の中ですぐに漢字に変換される。
どれも中学受験参考問題集で解いた漢字だ。

「これ、マジックショーか何かですか?」
自分で当てはめた漢字がどれもショーというには似つかわしくない。
ためらわずに聞いた。
「観に来てくれれば、わかりますよ」
おじさんは、にっこり笑う。
「待ってますよ」とささやくような声で言うと
バイバイというように右手を振り、鳩の集団の中に入った。
それから、左手の親指と中指をこすり合わせパチンと音を鳴らすと、それが合図なのか、
50羽の鳩が一斉に羽を広げて飛び立った。
バラバラに向いていた鳩が空で大きな群れになり、一糸乱れない弧を描くと
僕の周りを旋回した。

離れて行く50羽の鳩は、もう一度だけ僕の周りを回って遠くの空へ飛んで行く。
僕は、ずっとその様子を見届けて、気づくとおじさんがいない。

手に残ったチケットを改めて確認する。
「7月30日か」
偶然の出来事か?
その日は、僕の誕生日でもあった。


ハイライト4

恥ずかしそうに頭を掻くおじさんの仕草は、まるで子供のようで
やっぱり悪い人には見えない。と、
たとえ僕の名前を知っていたとしても、胸のどこかで安心していた。

ただ名前を知っていただけかもしれないし、毎朝走る僕のことを、この公園の誰かに
聞いたのかもしれない。または、町のどこかですれ違って
その時に僕の名前を聞いたのかもしれない。
お母さんの知り合いだとか?
いろいろ考えあぐねて黙っていると、
おじさんが瞳を凝らして言った。その瞳がまっすぐだったので、僕はごくりと息を呑んで
耳を傾けた。

「今度、ステージに上がるんですよ。よかったら来ませんか?」
「……はあ?」
途方もないことを言われるのではないかと、ドキドキして構えていたから
おじさんの突拍子もない言葉に力が抜けた。

何言ってんだ、この人は!
僕に舞台のお誘い?
怪しそうなおじさんは、ただのチケット販売員か。
僕はがっかりしていた。




力になれること

西日本にいるわたしは元気で過ごせてますが、東日本の震災映像、現地におられる方々の不安な日々を
過ごしているとを思うと胸が痛みます。

どうか、希望を失わないで。と祈らずにいられません。

お元気ですか?

どうか無事であってください。


たくさんの方々が一日も早く安心して笑えるように。

『ハイライト』

ハトは、まるで僕に数えてもらうのを待っているかのようにじっとしていた。
「29、30・・41」
数え始めて、そろそろ50に近づいた頃、僕はちらりと燕尾服のおじさんを見た。
「もしこの中に嘘のハトがいたらどうする?」
僕は、数え間違わないようにハトに目を凝らして言った。
おじさんは顔を一瞬凍らせて驚いたが、すぐに笑い出した。
「嘘のハトですか!そりゃあいい、面白いことを言いだす」
おじさんは、お腹をかかえて笑った。
僕は、おじさんの愉快そうな笑声に不機嫌になっし、苛立った。

残り僅かなハトの数は、足してきっと50になるだろうと予測できたから
、僕はおじさんの気を反らせようと考え付く話題で試したことを
見透かされたような気がしたからだ。
僕は、むっとしながらハトを数え終えた。
「はい、50羽いました」
つんとして答えた。
「ね、ちゃんと50でしょ。これ以上はここには来ないんですよ」
「なんでそんなことがわかるんだよ。おじさん、魔法使い?」
おじさんはまた笑い出した。
「だ、だって、今日が50でも明日は分からないじゃないか。毎日50羽なんておかしいよ」
僕は、顔を赤くして言った。
「ははははは、これは失敬。そうですね、魔法なんて使ってませんよ。第一、魔法使い
がいるのなら、私も逢いたいです」
「おじさんは、何?」
「人ですよ。川上洋二君」
「え、僕の名前……」
「ええ、知ってます。7月30日生まれ、12歳。苦手科目算数、好きなドーナッツは幾ら
でもお腹に入れられる」

「なっ、なんでそんなことまで知ってるの」
僕は、お腹のあたりがすっと冷たくなった。おじさんは僕を知っていた。けど、僕は知ら
ない。目の前にいる男なんて僕は初めてこの公園で会った。
僕は怖かった。怖くて震えて胸がドキドキした。
知らない人と話しちゃだめよ。と母さんに言われていた。
僕はバカだ。にこにこ笑ってハトに餌あげてた少し恰好が普通とは違うけど、いい人そう
だったから、油断した。
なんで声をかけたんだろう、なんでハトの数を数えたんだろう。
僕は、後悔した。急いで展望台の下に降りる階段を探した。
「ああ、驚かないでくださいよ。怪しいものじゃあないですから」
……十分怪しいから、僕に近づかないでよ。
「ええっと、そんなに怖い顔しないで下さいよ。まいったな」
おじさんは恥ずかしそうに頭をかいた。
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