magic mirror  ( いつも )

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ハイライト

特別何があったわけじゃない。
これから、何かが起こるわけでもない。
僕には予知能力もなく、ワクワクする予感もしない。
でも、この数日間だけしか会話を交わしてない目の前にいるおじさんが、
僕に何かをしてくれる気がして、この夏休みは受験のための勉強づけ
でないのかもしれない。って、ほんの少しだけ期待していた自分にがっかりした。
そうだよな。
僕に「勉強しなくていいんだよ」って、誰も言ってはくれないことぐらい解ってた。

「はい」
おじさんは、虹色のチケットを僕に差し出した。
チケットを受け取る前に、嫌味な虹色だと思った。
僕はおじさんの遊びに付き合っているほど暇じゃないんだ。
突き返そうと思って腕を伸ばしてみて、ふと、チケットのタイトルが気になって
腕を戻した。
「カイトウ、ショー?」

虹色の上にカタカナでそう書いてある。
カイトウ、カイトウ・・・カ・イ・ト・ウ?

解凍、回答、開頭・・

カタカナは頭の中ですぐに漢字に変換される。
どれも中学受験参考問題集で解いた漢字だ。

「これ、マジックショーか何かですか?」
自分で当てはめた漢字がどれもショーというには似つかわしくない。
ためらわずに聞いた。
「観に来てくれれば、わかりますよ」
おじさんは、にっこり笑う。
「待ってますよ」とささやくような声で言うと
バイバイというように右手を振り、鳩の集団の中に入った。
それから、左手の親指と中指をこすり合わせパチンと音を鳴らすと、それが合図なのか、
50羽の鳩が一斉に羽を広げて飛び立った。
バラバラに向いていた鳩が空で大きな群れになり、一糸乱れない弧を描くと
僕の周りを旋回した。

離れて行く50羽の鳩は、もう一度だけ僕の周りを回って遠くの空へ飛んで行く。
僕は、ずっとその様子を見届けて、気づくとおじさんがいない。

手に残ったチケットを改めて確認する。
「7月30日か」
偶然の出来事か?
その日は、僕の誕生日でもあった。


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Date:2011/07/03
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